![]() 唐十郎・作 蜷川幸雄・演出「下谷万年町物語」 初演は1981年西武劇場(今のPARCO劇場)。 浅草の瓢箪池を模した水が舞台の前面にあり 役者が池の中から登場する、飛び込む、池で暴れる。 舞台の奥にはに万年町の長屋。 その上で中で前で大勢のオカマが歌う。踊る。 その怪しいエネルギーと猥雑な舞台に圧倒された。 キティ・瓢田を演じた李礼仙も魅力的だった。 その前年から唐さん主宰の状況劇場にハマって紅テントに観に行っていた私は この舞台もわくわくしながら観ていたのだった。 戦後上野駅近くの万年町という町の長屋に男娼が多く住んでいて 夜になると上野の山に商売に出掛けたという。 私の実家も昔、この万年町と昭和通りを挟んだ上車坂という町に住んでいた。 私は1才くらいで御徒町に引っ越してしまったので記憶はないのだが。 母の話では、当時西郷さんの銅像あたりに夜になると男娼がよく立っていて 母が興味森々で見ようとすると 父に「見るな!! 目を合わせるな!!」って言われたそうだ。 その町で幼少期を過ごした唐十郎少年は オカマヤサンの長屋からタンゴが流れてくるのを聞いたらしい。 その強烈な幼児体験がこの怪しげで悲しげな物語を作ったのだろうか。 そして昭和23年、 上野公園に視察に行った警視総監が帽子を男娼に盗られるという事件があったという。 その事件がこの物語のベースにあり 権力の象徴としてその帽子があっちへ行きこっちへ行き。 その芝居が31年後、再び渋谷に戻って来た。 その新たな「下谷万年町物語」は キティ・瓢田に宮沢りえ 洋一に藤原竜也 文ちゃんに西島隆弘。 お春さん役は何と初演と同じ大門伍朗。 お春さんのライバルお市さんは六平直政。 白井には金守珍。 唐さんの芝居に金守珍と六平直政が出てるのがなにより嬉しい。 宮沢りえのキティさんは大熱演。 洋一が池の中から白い衣装のキティを抱えて出てくる場面が美しい。 そしてやはりラストシーンに感動してしまう。 20代の時に観たのと、50代になって観たのとでは すこし感じ方が変わってる。当たり前でしょうけど。 初めて観た時はダーウィンの進化論の話がすごく印象的だったけど 今回は、え?こんな感じだったっけ?って。 記憶はそうとう曖昧。 唐さんの芝居に登場するヒロインは誰かを探していたり、待っていたり。 孤独でさみしくて悲しい人が多い気がする。 一緒に行った友人ふたりは初めての唐十郎の芝居に かなり戸惑っていたみたい。 言葉が唐突だしあちこち飛ぶし セリフを理解しようとするとわけがわからなくなるし。 でも、それが唐十郎の世界で、私はそれがたまらなく好きなのだ。 ついでに31年前のチラシとチケットも。 ![]()
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