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とまどいながらも

5日前、時々覗く下北沢の「ラ・カーニャ」というライブハウスのHPの
ライブスケジュールの中に「城田じゅんじ」という名前を見つけた。
数年前に囚われの身から解放されたのは知っていたけれど
どうしているのだろうと気になってはいたけれど
音楽活動を再開していたのだった。
それは、内藤希花さんというアイリッシュフィドルの方とのライブ。
少し迷いながら6/19のチケット予約のメールをした。
普通の気持ちでじゅんじさんの演奏が聴けるのかって
自分自身に問いかけたけど答えが出ない。
とにかく行ってみようと思った。

  一昨日から何故かわからないけど
  両方の瞼が赤く腫れあがって、まつ毛も埋もれて土偶のような目になってしまった。
  今朝は昨日よりもひどくなっていて
 007.gifそれでもひとり下北沢に向かった。


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午後3時からのライブだが2時30分には「ラ・カーニャ」の店内には
お客さんが7割くらい埋まり、開演時間にはほぼ満員になった。

生のじゅんじさんは何年ぶりだろう。
ナターシャーセブン解散後
一時期だけ再会コンサートとして復活ライブがあった時行った以来か。
とても複雑な気持ちで聴いていた。
でも、聴いているうち
じゅんじさんは音楽を続けることで今を生きていられるのかもって思った。
ギターを弾くことが償いになっているのかもって。
私の記憶の中から昔のじゅんじさんは消えないし
あの事件があったという事実も消せない。
私は単なる昔のファンだからこんなことを思うのは傲慢かもしれないけど。

大部分はアイリッシュミュージックで
私にはあまり馴染みのない音楽だけど美しくて力強くて。
じゅんじさんは娘のように若い内藤希花さんの素晴らしいフィドルに引っ張られていた。

その間にはバンジョーに持ち替えてブルーグラスを弾き
ナターシャー時代の(じゅんじさんは「昔いた会社」と言ってた)楽曲も演奏した。
当時お元気だった高橋竹山さんに習った津軽じょんがら節をバンジョーで弾き
懐かしい「外山節(そでやまぶし)」を歌ったり。
「In the early morning rain」
「どこにいればいいんだろう」も。
   行きの電車の中でふと昔ナターシャーセブンが歌ってた
   「どこにいればいいんだろう」という歌の一節が思い出されて…
   そしたらじゅんじさんがその歌を歌ったのにはびっくり。予知能力か!?


「どこにいればいいんだろう」は、
1974年に高石ともやさんが敦賀原発が出来た時に作った。
カーターファミリーの「When Shall I be」という歌を元に歌詞を付けた歌。
今こそ歌うべき歌かもしれない。

    花がしおれて行く日には どこにいればいいんだろう
    川の水が枯れる日は どこにいればいいんだろう
    山に炎がのぼる日は どこにいればいいんだろう
    冬の浜辺に人はいない どこにいればいいんだろう
      きみの笑顔が消える日は どこにいればいいんだろう
      明日の夜明けに僕たちは どこにいるのだろう
  
    原子の炎が燃える日は どこにいればいいんだろう
    イカつり舟の火が消える日は どこにいればいいんだろう
    機械が国中あふれたら どこにいればいいんだろう
    人の仕事が色あせる どこにいればいいんだろう
      きみの笑顔が消える日は どこにいればいいんだろう
      明日の夜明けに僕たちは どこにいるのだろう
                          詞/高石ともや
                          曲/A・P カーター


62才のじゅんじさんのライブを56才の私が聴いている。
こんな日が来るなんて夢にも思わなかった。
戸惑いは無くなったかといえばそうでもないけど…

ライブが終わって真っ先にお店を出るとき
出口の所にじゅんじさんの事務所の方らしき女性がいらして
「またここでライブがありますか?」って思わず聞いていた。
「10月頃に予定してます」と答えて下さった。
きっと又、ここに来てしまうのだろう。
だから人生はおもしろい。
by hisaesky | 2011-06-19 22:18 | 好きな音楽

とうとう60代


by hisaesky